Malaguti F12 Phantom 50R



2013/05/018通勤バトル必勝號!(五代目(仮))








<<どの方向に改造するか>>

さて、私が購入したファントム君は遅いです。
中古での購入でしたので、前の所有者がある程度手を入れてくれていることを期待していたのですが、全く手が入っていませんでした。

よくもこんなかったるいスクーターに乗っていたものです。
距離にして6,600km。約一年間所有していたとの事ですが都内の信号が多いエリアではストレスが溜まったでしょうね。

ファントム君はEuro1のタイプであればエンジンに手を入れる(68cc化)と鬼のように早くなるのですが、私のはEuro2の対策が取られたモデルなのでそこまでは早くなりません。
でも軽く120km/hはでる見たいですね。
Euro1の150km/hオーバーには叶いませんが、もともと通勤用のスクーターなのでエンジンに手を入れるつもりはありません。



セッティングは非常に手間暇がかかるので、既に最適なセッティングデーターが揃っているであろうコネクティングロッドに相談しました。
条件としては通勤途中の坂が登れないのでトルクが欲しいと言う事と、最高速はどうでもいいから停止状態からのダッシュ力を改善したいと言う事です。
エンジンに手を入れるのは最後の手段で、可能な限り駆動系のセッティングだけで実現したいと、この3点を伝えました。

ところが返ってきた答えが「ボアアップしましょう」です。
費用が高額なのでじゃあ登録費用は自分でやるからその1万円はカットしてと伝えると「違法行為はしません」と。

ちょっとムカついたので止めました。
駆動系のセッティング優先でと言っているのに簡単にボアアップに逃げちゃうし、その場合どれぐらい改善されるのかデータが無いから判らないって無責任でしょ。



と言う事で今後コネクティングロッドのお世話になることはないです。
近所のピットクルーもマラグーティの代理店ですし(在庫があればピットクルーで買ってました)部品が欲しくなったらピットクルーにお願いすることにします。
でも本当にいいパーツってやはり海外にあるので、個人輸入でもいいですね。


私の場合通勤メインなので片道3km程度の走行です。
したがって@通勤途中の坂道の登坂力向上、A停止状態からのダッシュ力改善の2点を目的に駆動系のセッティングとします。




<<まずは道具を揃えます>>

駆動系のセッティングって何?
まずはこのお勉強から始めます。
実はスクーターの改造はやったことがありません。いつもショップに持ち込んでいたので^^;;

理由はバイク用の工具では手も足も出ないことです。
道具を揃えるとお金が掛かるのでショップにお願いしていました。


でもこれからは自分でやるので必要な工具を揃えることにしました。
作業手順に沿って必要な工具を書き出すと

@ドライブケースを開ける:プラスドライバー、六角レンチ Aブーリーを外す    :ブーリーロックレンチ、17mmのソケット
Bクラッチを外す    :ユニバーサルロック、24mmのソケット
Cクラッチを分解する  :ワンタッチプーリーホルダー、クラッチスプリングコンプレッション、39mmのソケット


こんな感じですね。

Amazonで工具を探したら実は凄い安く手に入る事が判りました。
ブーリーロックレンチは最初に買ったのも後から買い直したものも1,200円ですし、クラッチスプリングコンプレッションは1,440円。
ユニバーサルロックが1,999円、ワンタッチプーリーホルダーも1,999円、39mmソケットが1,917円とどれも手ごろな値段で売られています。

この他に間違えて買ってしまったクラッチ用レンチが500円ぐらいだったかな?41mmでは大き過ぎました。

間違えて購入した工具を入れても10,000円ちょいです。
これから長い付き合いになるのですからこれぐらいの出費は平気。
ショップにお願いするとその度に5,000円以上の工賃がかかるので、買って自分でやった方が絶対にお得です。





<<ドライブケースを開ける>>

(2013/04/20)
今日は人生初のスクーターの改造に着手します。
まずはドライブケースを開けます。これは六角レンチだけで開きました。
プラスネジが使われていると固くて大変だと聞いてましたがラッキーです。







六角ボルトを外すとこんな感じです。
ケースカバーが結構重いですね。路肩にぶつけた場合に壊れない強度が必要ですから仕方ないですね。

ケースの中がどれだけ汚れているか心配していましたが綺麗なものです。
イタスクって結構いい加減に組み立てられることがあるので、ギアケースからのオイル漏れも心配ですがこいつに限っては大丈夫でした。






ドライブフェイスは 3AA の刻印があるのでBW'S50の物ですね。やはり予想通りYAMAHA系パーツがてんこ盛りのようです。






こうやってブーリーロックレンチを使ってドライブフェイスを固定してナットを回すのですが、どうやっても回りません。
このブーリーロックレンチはストレートというお店から買ったものですが、2種類あるうちのグースネックになっているタイプが良いだろうと思ってました。

しかし実際に使ってみると実に使い辛い工具です。
ロックのかかりが浅くてすぐに外れます。
ドライブケースが深いこともありケースの縁が邪魔になってうまく固定できません。


と言う事で別な工具を買うこととし今日は中止です。




(2013/04/27)
工具を買い直して再チャレンジします。
今度はサクッと外れました。あの苦労がなんだったと言いたいぐらい簡単です。



こんな感じでブーリーロックレンチをワンウェイ(突起が出ているナットで、これがキックペダルと噛み合っています)に被せるとうまい具合にケースの縁に密着します。
そこで六角ボルトを一本仮に付けて、そこでレンチが動かないように固定します。

以前の工具では右手でブーリーロックレンチを抑えて左手でソケットレンチを回す必要がありましたが、今度のはブーリーロックレンチがケースに固定されているので片手でソケットレンチをグイッと回して簡単に外すことが出来ました。
作業時間1分ですね。




こんな感じで楽々です。




基本的に工具はKTCかTONEを優先的に選んでいます。
工具自身の精度も作業性に直結するのでお財布と相談しながら買っています。
今回使っているソケットレンチのレバーはTONEです。45cmの長さがあるのでどんなに固いものでも軽いトルクで緩められます^^






ドライブフェイスを外すと 3AA の刻印が見えます。真中はワンウェイです。部品番号は書いてませんね。右がワッシャです。
ドライブフェイスの中にある六本足の金具がクローワッシャです。これも外れます。

正確な部品番号はパーツリストが無いので判りませんが、このドライブフェイスはおそらくYAMAHA 3AA-17611-00 ですね。
YAMAHA的なパーツ名はシープ、プライマリフィックスです。

そしてワンウェイは YAMAHA 3KJ-15657-00 でしょう。このパーツはいろんな機種に使いまわされています。
YAMAHA的なパーツ名はクラッチ、ワンウエィです。
クローワッシャも沢山の機種に使いまわされている YAMAHA 90214-13055 だと思います。
YAMAHA的なパーツ名はワッシャ、クローです。

ドライブフェイス自身には歯車は切ってなくて、クローワッシャの方に切ってあります。
これをセットで使うことでクランクシャフトの回転運動が伝わるわけですね。






ドライブフェイスをひっくり返すと汚れていますね。ベルトの成分ががっつり食い込んでます。

そしてこれで分かる通りブーリーの外周まで使い切っていません。
ブーリーのどこまで使えるものなのか判りませんが、現状から判断してベルトの長さをちょっと長くしても大丈夫ですね。






ドライブフェイスを外すとブーリーが見えるようになります。
こちらも同じぐらい汚れていて、やはり外周まで使い切っていません。

カラーの手前に1mm程度のワッシャが噛ませてありますが、これはドライブフェイス側の窪みにはまるようになっていました。
もし、将来交換の必要が出た時にはサイズと厚みを確認してから購入しないとダメですね。






ブーリーとランププレートを外すとようやく底が見えます。
基本的にこの奥は手を入れる事がないのでここまで。変なオイル漏れとかが無ければOKです。たぶん。






ブーリーにランププレートをつけたままひっくり返した写真ですが、部品番号がどこにも書いてないですね。

正確な部品番号はパーツリストが無いので判りませんが、おそらくYAMAHA 3AA-17623-00 ですね。
YAMAHA的なパーツ名はカムです。





ランププレートを外すとブリーの部品番号が見えてきます。
ただし見えるのは 3YJ の刻印のみ。

正確な部品番号はパーツリストが無いので判りませんが、おそらくYAMAHA 3YJ-17620-00 ですね。
YAMAHA的なパーツ名はプライマリスライディングシープです。

しか〜し。
この写真でもわかる通りウエイトローラーが偏摩耗してますね。
丁度交換時期に来てた感じですよ。







ブーリーのサイズを確認します。
直径が95mmですね。









今回使用するウエイトローラーはヒロチーの製品です。
一袋6個入りで380円と安価なのがいいですね。3.5g、4.0g、4.5g、5.0g、5.5g、6.0g、の6種類購入しました。
色々なウエイトを試すにあたってキタコのウエイトローラーを6種類買うと1,750円×6種類で10,500円かかりますが、ヒロチーなら2,280円で済みます。
この差は無視できないですよ。どれが最適な重さなのか判らないのに..

重さが決定したら買いますけどね。キタコの製品は^^



さて、色々と交換してスクーターの動作がどう変わるのか確認してみました。

ミナレリヤマハのエンジンは10,000回転まで回る筈なので、どこかで制限が掛かっているとすればCDIだろうと。
そうするとCDIはYAMAHA系じゃなくてドカッティの系列らしいので、マロッシあたりの製品と交換が必要かと思っていましたが、実は3.5gに交換してみたらスタートが7,500回転で、加速時には8,000回転まで回るようになりました。 (v^ー゜)ヤッタネ!!

3.5g →出足はもっさり。加速ももっさり。でも8,000回転まで回る
4,0g →出足はもっさり。加速ももっさり。でも7,500回転まで回る
5.0g →ノーマルにかなり近い出足。7,000回転までしか回らない
6.0g →ノーマルよりちょっと遅い出足。加速でも6,500回転までしか回らない

どうやらノーマルは試していない5.5g見たいですね。

今回の収穫は単純に駆動系のセッティングだけで10,000回転まで持って行ける可能性が見えてきたことです。
しかし、今日の交換で感じたのはエンジンが8,000回転まで回るのに前に進まないと言う事です。なんかベルトが滑っていない?

ベルトが滑る感じる要因はローラーが軽すぎてプーリーがベルトを挟む力が弱い事でしょうか?


でも一番の原因はファイナルギアが高過ぎるんじゃないか?ってこと。
ただでさえ13インチ化でタイヤ外径が大きくなっているのに、どうも使っているパーツは12インチのパーツをそのまま使っているっぽいです。
と言うか、国内のJOG系の駆動系パーツがそのまま入っていると言う事は、10インチタイヤ用のセットですよね。
それを13インチに適用したらそりゃ発信加速は最悪ですよ。


まあここまで作業して感じたのは、ウエイトローラーの交換は加速性能の改善にはまるで効かないこと。
ファイナルが高すぎるのでタイヤが地面を蹴るためのトルクが弱いので、ウエイトローラーだけでなんとかしようってのは無理ですね。




翌日ですがキタコの3.0gが届いたので入れてみました。
エンジンが8,000回転で唸っているだけで前に全然走っていきません。













トップページに戻る場合はこっち。